こんばんわ。
よつ葉ロープシステムの「yotsuba-papa」です。
早速、倍力システムの「2倍力」を組んでいこうと思います。
※ 今回の記事では、ロープと滑車との摩擦・滑車自身の効率による力の損失率等は、考慮しないものとします。
2倍力システム
上の写真では判りにくいですが、「おもり」と「引く力」にカラーコーン用のウエイト(1個あたり2kg)を代用しています。
2倍力システムでは、4個のウエイト(8kg)を、2個のウエイト(4kg)で引き上げることができます。
言い換えると、2倍力システムを用いた時、4kgfの力では、2倍の8㎏の重さのものを引き上げる(動かす)ことができるということになります。
例題
上の「2倍力システム」の項目では、4kgfの力で8㎏の重りを引き上げることができました。
ここで、ひとつ、一緒に考えてみてください。
「私」の会社に力持ちの「A君」がいます。
「私」と「A君」は、とある現場で、1個あたり20㎏の荷物を5mの高さまで引き上げる仕事をすることになりました。
2人ともロープと滑車を使用して、引き上げます。
ただし、力持ちではない「私」は、手元にもう一つ滑車があったので、2倍力システムを組んで、荷物を引き上げることにしました。
左は、2倍力システムを組んで荷物を引き上げようとする「私」の図です。
右は、そのまま荷物をグイグイ引き上げようとする「A君」の図です。
結果、2人とも、20㎏の荷物を5mの高さまで引き上げることができ、無事、仕事を終えることができました。
2人とも涼しい顔で帰路につきました。
さて、今回の仕事で、楽をしたのは誰でしょう。
仕事量
答えは、「2人とも同じだけ頑張った」です。
今回の2人の仕事で求められたのは「20㎏の荷物を5mの高さまで引き上げること」でした。
その目的を達成するために
- 「A君」は、20㎏fの力でロープを5m引き続けた
- 「私」は、10㎏fの力でロープを10m引き続けた
のです。
もうお気付きですね。
倍力システムを組むと引く力は、少なくて済むが、引くべきロープの長さはそれに反比例して長くなってしまうのです。
2倍力システムでは、引く力は、引き上げようとする重さの半分で済むが、引くべきロープの長さは2倍になるという風に。
ということで、今回の仕事で
20㎏fの力でロープを5m引き続けた「A君」の仕事量は
- 20㎏f × 5m = 100
(※ 小難しい単位は省きます)
10㎏fの力でロープを10m引き続けた「私」の仕事量は
- 10kgf × 10m = 100
(※ 小難しい単位は省きます)
2人とも仕事量は「100」で、「2人とも同じだけ頑張った」でした。
倍力システムの選定
倍力システムには、2倍力~5倍力や12倍力、もっと多くのバリエーションがあります。
今回と次回の記事でご紹介する倍力システムだけでも5種類もあります。
しかも闇雲に倍力をアップさせると、引くべきロープの長さがどんどん長くなってしまうことは、前項で説明しましたし、使用する器具も増えてしまいます。
では、数ある倍力システムの中から、状況にあった倍力システムをどのように選定すればいいのでしょうか。
私が思う選定方法は、単純ですが3つ。
- 引く力を、少しでいいから軽くしたいのであれば、「2倍力システム」
- 引き上げる高さや距離は短いから、出来るだけ小さな力で引き上げたいのであれば、「5倍力システム」・「12倍力システム」や、それ以上の倍力システム
- 「引き上げるべき重りや荷物の重量」と「用意できる引き上げ力」のバランスから
1と2については、そのままです。
3について、少し説明をします。
もし、あなたが、100㎏の荷物を引き上げなければならないのに、
10kgfの引き上げ力しかなければ、10倍以上の倍力システムを組まなければなりません。
しかし、そこに手伝ってくれる人が現れて、引き上げ力が50kgfまでアップしたとしたら、2倍力システムを組めば充分になりますね。
でも、すこし余裕を持たせて、3倍力システムを組もうかなという具合で選すれば良いかなと思います。
初めて倍力システムを組んで、思い荷物を軽い力で引き上げた時は、すこしニンマリしてしまうと思いますよ。
さて、次回は、3倍力~5倍力、そして、12倍力システムを組んでいこうと思います。
よつ葉ロープシステム