こんばんわ。
よつ葉ロープシステムの「yotsuba-papa」です。
今日は、カラビナのご紹介です。
はじめに
カラビナは、ゲートにロック機能のあるフックの一種で、主として「接続」を目的として使用される器具です。
単に「カラビナ」といえば、上の写真に載せた一定以上の強度を有したものから、キーホルダーに付随したようなものもありますね。
材質もプラスチック製やアルミやスチールといった金属製のものと様々です。
この記事では、ロープアクセスやロープ高所作業・可動式ワークポジショニング・ロープシステムなどロープを用いた高所作業の際に選択・使用しなければならない「カラビナ」を紹介します。
「人」と「支持物」とを接続する
カラビナは、接続器です。
作業者が転落・墜落しないように「人」と「支持物」とをつなぐ重要な役目を担っています。
そのため、ロープアクセスや可動式ワークポジショニング・ロープシステム(ロープ作業)で使用するカラビナの選択には、一定の規則が設けられています。
カラビナの構造
先に記したように、ロープ作業で使用するカラビナは、アルミ製・スチール製でなくてはなりません。
そして、不用意にカラビナ・ゲートが開くことを防ぐため、ゲートを開ける際に「2つ以上の意図的な操作」が必要なものを使用しなければなりません。
下の写真のカラビナは、スクリューロックタイプのカラビナです。
まず、ネジ式のスクリューをエンドまで回転させロックを解除します(1つめの操作)。
次に、ゲートをつまみ、引き下げゲートを開けます(2つめの操作)。
カラビナ・ゲートを閉める際は、この逆の動作を行います。
スクリューロックタイプのカラビナを使用する際は、必ず、スクリュを最後まで締めて使用しなければなりません。
このほかにも、トリプルロックタイプのカラビナもあります。
後程、ご紹介します。
カラビナの強度
ロープ作業で使用するカラビナには、必要な強度が設定されています。
それは、メジャーアクシス(ゲートを閉じ、外れ止めをロックした状態の縦軸方向)で「破断強度20kN」より大きいものを選択しなければならないということです。
注意点
カラビナの主な使用上の注意点として、いくつか下記に記載します。
- マイナーアクシスに力をかけない
- ロックが開いた状態で使用しない
- 構造物等により、カラビナの側面から力が加わらないようにすること
- 三方向以上に力をかけない
- 使用中にロック部分を押さない(荷重が掛かった状態で無理に開けようとしない)
- スリングやロープがカラビナのゲートロック部分に引っ掛かった状態で使用しない
- スクリューロックタイプのカラビナは、スクリューを最後まで締めて使用すること
カラビナの破棄
次に示すような状態・状況になったカラビナは使用を中止し、破棄しなければなりません。
- ひどい摩耗状態
- ひび割れや亀裂がある
- ささくれている
- 一度でも高所か落下したことがある
- 破断強度近くの大きな荷重が掛ったことがある
- 化学薬品が付着した
- 極端な高温や低温になるところで使用した・保管していた
- ロック機能が正しく機能しない
- 部品の欠落など明確な故障箇所がある
おすすめカラビナ
上記に堅苦しいカラビナの説明を書きましたが、作業者の命を守るために必ず守ってください。
ここからは、私が実際に使用しているカラビナの紹介をします。
是非、使ってみてください。
おすすめ
climbing technology社「ピラー」
カラビナは、1つや2つの所有では、数が足らないので、金額の面からも私が多く使用しているカラビナです。
スクリューゲート・ツイストロックゲート・トリプレックスゲートの3つのゲートロックパターンがありますが、おすすめは、「スクリューゲート」と「トリプレックスゲート」です。
「ツイストロックゲート」のカラビナは身体と接触するような箇所で使用していると、身体とカラビナが接触し、擦れた時に、不意にカラビナゲートが開いていた経験があり、基本的に使用していません。唯一、カラビナを安全帯フックの代用としてなど、カラビナの開閉を頻繁に行うときに使用しています。
climbing technology社「ピラープロ」
こちらは、フルボディハーネスのワークポジショニング用アタッチメントポイントとディッセンダー(下降器・昇降器)とを接続するのに使用しています。
その理由は、上記の「ピラー」と比べ、カラビナ自体が肉薄で ディッセンダーにセットし易く、「ピラー」よりも強度があり、さらに、カラビナ表面が耐摩耗性を高めたハードコーティングしてあるためです。
作業中、全荷重を支え、常時、ディッセンダーと接触・擦れ続けている箇所に使用するカラビナとしては、最適なのではないかと思います。
この箇所での使用に関しては、私は「ピラープロ」のスクリューゲートの一点決めです。
スクリューゲート・ツイストロックゲート・トリプレックスゲート
ここでは、カラビナの代表的な3種類のゲートタイプの開閉方法を記載したいと思います。
まずは、スクリューゲートタイプです。
ゲートのロック方法がスクリュー(ねじ式)になっていることが最大の特徴です。
スクリューゲートは、利き手が右手・左手関係なくほぼ同じ操作性を保てます。
しかし、使用時は、使用者が意思を持って、スクリューロック(ねじ)を最後までしっかりと締めなければならないので、「面倒なのでねじは締めない」と考えるような人には向いていないかもしれません。
ツイストロックゲート
ゲートをねじったまま、手前に引くことで、カラビナを開けることができます。
そして、指を離すことでゲートが閉まり、ロックもかかります。
操作も簡単でカラビナの脱着がスピーディーに行えるのが特徴です。
ただし、私の経験上、このツイストロックゲートタイプのカラビナは、作業者自身の体に接触するような箇所で使用すると、カラビナゲートと体が擦れた時、思いのほか簡単にゲートが開きます。
使用する場所・箇所によって、カラビナゲートのタイプを選ぶ必要があるということですね。
トリプレックスゲート
ゲートを垂直に引き下げ(機種によっては引き上げ)、そのままゲートをねじり、さらにそのまま、手前に引くことでカラビナを開けることができます。
ゲートを開けるために「3つ以上の意図的な操作」が必要なカラビナということになります。
不意にカラビナのゲートが開いてしまう恐れをかなり小さくできると思います。
ただし、右手操作用のものを左手で使用するのは、すこし、慣れが必要かもしれません。
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