「yotsuba-papa」の『ロープでお仕事』ブログ

福岡でロープを使って仕事をする「yotsuba-papa」がもっと安全でわかりやすいロープ作業「可動式ワークポジショニング・ロープシステム」を広めていくことに奮闘しつつ、高所作業による災害発生が『ゼロ』になることを懇願するブログです

フルハーネス ・ フルボディハーネス

よつ葉ロープシステムの「yotsuba-papa」です。

今回は、ロープ作業を行う際、必ず装着する器具のひとつ

「フルボディハーネス」の紹介をしたいと思います。

 

 

フルボディハーネス

 

 

ロープアクセスをはじめ、各ロープ作業、そして、私が広めたい「可動式ワークポジショニング・ロープシステム(MW-RS)」においても必ず装着しなければならない、というより装着しなければ何も始まらないと言うべき身体保持器具の基本(ベース)となる器具です。 

可動式ワークポジショニング・ロープシステム(MW-RS)において選択すべきフルボディハーネスは、「コンプリートハーネス」や「ワークポジショニング&フォールアレスト兼用」などと呼ばれるフルボディハーネスです。

 

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上の写真のようなフルボディハーネスのことですね。

可動式ワークポジショニング・ロープシステム(MW-RS)におけるフルボディハーネスの選択基準を小難(こむずか)しく記載すると、

 

フルボディハーネスのヨーロッパ規格

 

 

ヨーロッパ規格 EN358(ワークポジショニング及びレストレイン用ベルト、ワークポジショニング用ランヤードの規格)・EN813(シットハーネス・ワークポジショニング用ハーネスの規格)・EN361(フォールアレストハーネスの規格)に適合していること。

もう少しわかりやすく一部抜粋で書くと、「主として、破断強度が15kNより大きく、主ベルトの幅が40mm以上・副ベルトの幅が20mm以上」で、

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上の写真のようにアタッチメントポイントがそれぞれ独立しているものです。

 

おすすめのフルボディハーネス5選

 

 

下記に私がおすすめするフルボディハーネスを一部紹介します。

※ 各フルボディハーネスの写真や詳細は、こちら( ↓ )の記事を参照して下さい。

 

yotsuba-rope-system48.com

 

 

  • SINGING ROCK社 プロフィワーカー3Dスタンダード・・・現在、私がメインで使用しているもので、上記の写真が実物です。最低限必要な機能を備え、シンプルな構造で体馴染みが良いです。コストパフォーマンスに優れたフルボディハーネスだと思います。

 

  • SINGING ROCK社 エキスパート3D・・・プロフィワーカーとの一番大きな違いは、チェスト部分とシット(ウエスト)部分とを外すことができるセパレートタイプであることでしょうか。私の行うロープ作業では、シットハーネス単体で装着することはありませんので、私はプロフィワーカーを選択しました。もうひとつ、プロフィワーカーとエキスパートの違いは、腿の後ろ側にあたるベルトが可動式なのがプロフィワーカー、固定式なのがエキスパートです。ここの使用感は好みが分かれる所だと思います。が、文章ではいまいち上手くお伝えできてませんね・・・。(スイマセン

 

  • PETZL社 アストロボットファスト・・・私の同僚が使用しています。ロープ作業者たちの憧れのフルボディハーネスと言っても過言ではないかと思います。まず、なんといっても装着時の身体へのフィット感・サポート感が抜群です。そして、ロープ作業中の「痒いところに手が届く感」が最高です。使用する用具の整理・携行がしやすいのはもちろんのこと、本来、カラビナ等を使用して取り付ける安全確保のためのランヤードも専用のランヤード「プログレス」なら、カラビナ等を使用せず直接取り付けが可能。また、本来なら、同じくカラビナ等をワークポジショニング用アタッチメントポイントに左右計2個使用して取り付けるワークシートも、専用のワークシート「ポディウム」なら専用のアタッチメントポイントに取り付け可能。つまり、ワークポジショニング用アタッチメントポイントがごちゃつかずスッキリなのです。ロープ作業中の複雑な動作時のストレスを大幅に軽減してくれること間違いなしです。手元が単純で明瞭なほど動作ミスの発生が減少しますよね。スキルの高い人ほど、装備が整理されているように思います。

 

  • Climbing Technology社 パイルテック‐2・・・Climbing Technologyは、私が好んで使用させてもらっているメーカーです。個人的な感想ですが、こちらの器具は直感的な使用感とダイレクトな操作性が「ロープを操っている」気持ちを高めてくれて私は好きです。さて、この「パイルテック‐2」、一言でいうと、腿の後ろ側のベルトが固定式になった「プロフィワーカー3Dスタンダード」です。つまり、最低限必要な機能を備えたコストパフォーマンスに優れたフルボディハーネスです。私自身、次のフルボディハーネスの買い替えの際の候補のひとつに入れています。

 

  • Climbing Technology社 アクセスQR・・・実は、こちらのフルボディハーネス、実物を触ったことも見たこともないんです。なので、なんとも書きようがありません。(スイマセン)ただ、私が今、一番欲しいフルボディハーネスなのです。身体のサポート感の高そうな構造に多機能感を隠し持ったシンプルな見た目、そして、黒とオレンジ色を基調とした色合い。一目惚れです。

 

まとめ

 

最後は、私の好みの紹介になってしまいましたが、上記以外にも多くのメーカーから多種多様なフルボディハーネスが製造・販売されています。ご自分で色々探してみるのも楽しいでしょうね。

ただし、フルボディハーネスにも適材適所があります。

もう一度書きますが、

ロープ作業を行う際に装着しなければならないのは「コンプリートハーネス」や「ワークポジショニング&フォールアレスト兼用」などと呼ばれるロープアクセス用のフルボディハーネスです。

ヨーロッパ規格 EN358(ワークポジショニング及びレストレイン用ベルト、ワークポジショニング用ランヤードの規格)・EN813(シットハーネス・ワークポジショニング用ハーネスの規格)・EN361(フォールアレストハーネスの規格)に適合していること。

主として、破断強度が15kNより大きく、主ベルトの幅が40mm以上・副ベルトの幅が20mm以上で、ワークポジショニング用・フォールアレスト用のアタッチメントポイントがそれぞれ、独立しているもの。

これは絶対に守って選んでください。

そして、ひとつのフルボディハーネスを永遠に使用することは不可能です。買い替え・交換時期は、必ずやってきます。

最初にハイグレードを選ぶ必要はないと思います。(いろんな意見があるとは思いますが)

とくにロープ作業を始めようとすると、とても多くの器具をそろえなければいけませんよね。

フルボディハーネスは、新品のハイグレードだけど、ロープやヘルメットはボロボロの中古品では、本末転倒です。

今回、紹介したフルボディハーネスの中の「コストパフォーマンスに優れた」と記載したものと、他のハイグレードなものの作業者の身体を守る能力のレベルはほぼ同じだと思います。

「コストパフォーマンスに優れた」と紹介したフルボディハーネスは、とても多くのロープ作業者に使われています。買い替えでもまた同じもの・同じシリーズを選ぶ人もいます。

つまり、使いやすいんですね。熟練者が選ぶほどのです。

ハイグレードなものを選ぶときは、自分自身がどんな機能が欲しいか、はっきりとわかるようになってからでも遅くはないです。

自分のスキルと一緒に、使用する器具のレベルも上がっていくのがスマートかなーと私は、思います。

まずは、正しいものを選ぶ知識をつけ、正しいフルボディハーネスの装着方法を覚え、時々はフルボディハーネスを手洗いしてあげれる「道具への愛情」を身につけましょう。

 

追記 (2019年11月18日更新)

 

 上記でご紹介しております5種類のフルボディハーネスにつきまして、2018年6月19日に改正されました労働安全衛生規則「墜落制止用器具の規格」に適合しておりますので、ロープ作業のみならず、高所作業時に装着・使用するフルハーネス型墜落制止用として使用できます。

 ただし、その際、「フルハーネス型の墜落制止用器具を用いる業務に係る特別教育」の受講義務がありますので、ご留意ください。

                        

                           

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