こんにちは。
よつ葉ロープシステムの「yotsuba-papa」です。
はじめに
前回まで倍力システムについての簡単な説明と「2倍力システム」の組み方まで書いてきました。
今回は、「3倍力~5倍力」と「12倍力」の倍力システムを組んでいこうと思います。
まず、使用する主な器具と図中での表示を示した表を載せておきます。
3倍力システム
※ 今回も滑車とロープの摩擦や滑車自身の効率による力の損失率は考えないものとして書いていきます。
3倍力システムも読んで字のごとく、引く力の3倍の重さのものを引き上げることができるようになります。
しかし、前回の記事中に記載したように、倍力システムによって、引く力が少なくなれば、それに反比例し、引くべきロープの長さが長くなります。
上の図・写真(3倍力システム)で重りを地上から2mの高さに引き上げるためには、ロープを6m引き続けなければならないのです。
4倍力システム
5倍力システム
ここまで、いっきに3倍・4倍・5倍の倍力システムを組んできました。
気付いた方もおられるかもしれませんが、おもりに接続している「動滑車」から出ているように見えるロープの本数を確認すると、その倍力システムが、何倍なのかがわかりますね。
12倍力システム
これは、まず4倍力システムを組み、おもりの質量の4分の1の力で引ける状態にします。そして、引手となる箇所のロープに3倍力システムを組み込み、引く力を更に3分の1にするのです。
結果、1/4 × 1/3 = 1/12 となり、おもりの重さの12分の1の力で引き上げることができる「12倍力システム」の完成となります。
これを応用すると、4倍力システムに4倍力システムを掛け合わせて、16倍力システムも出来そうですね。
ただし、おもりを1mの高さまで上げるのに16m分のロープを引っ張らなきゃいけないんですけどね・・・。
最後に
今回、おまけ講座として、倍力システムを簡単に説明してきました。
私が事例としてあげた器具や組み方以外にも、もっと多くのやり方があるようです。
どんなスタイルを選ぶにしても、倍力システムの技術を正しく取得しておいて損はないかと思います。
倍力システムは、荷物を引き上げるだけでなく、専門的なアウトドアやレスキュー・建築関係でも用いられる技術です。
私たちの業界においてでも、ロープ上を登り返す際の技術に応用することもできます。
そんな事例を別の記事で紹介出来たらなと思います。
よつ葉ロープシステム